子犬の食事と栄養のガイド
子犬が生まれて最初の数ヵ月は、子犬にとってもペットオーナーにとっても、刺激的であると同時にとても重要な時期です。子犬が1歳の誕生日を迎え、2歳になるまでの間にも、まだ大きな課題や成長と、さまざまな新しい体験に直面します(すべての犬種はこの時期までに成犬になります)。子犬を迎えるためには、たくさんの情報収集が必要です。食事も大切なポイントの1つです。この子犬の食事と栄養のガイドでは、子犬にとって重要な最初の数ヵ月で最適な選択をするための情報を提供し、子犬が健康で長生きできるようお手伝いします。
子犬のフードがとても重要な理由
子犬は急速に成長します。最初の数ヵ月で体が大きくなり、大きすぎるように見えた耳や足ともバランスがとれてきます。体内では、消化器系と免疫系が成長しており、この時期に必要な栄養素は成犬とは異なります。最初の数ヵ月の子犬のフードが、健康な未来の基盤となります。子犬用に特別に開発されたフードを選ぶことで、子犬が周りを探検し、遊び、社会化する時期の発達をサポートできます。
子犬と成犬に必要な栄養の違いは?
子犬が食べることができるフードは成犬とは異なります。子犬が成長し、遊び、学ぶ時期に、体内で起こっている発達をサポートする適切な栄養素が必要となります。急速な成長をサポートするためには、成犬用フードよりもエネルギーの含有量が高いフードを与える必要があります。また、骨の発育をサポートするために、カルシウムとリンのバランスが取れた食事も必要になります。子犬は自分で食べる量を調整できないため、ペットオーナーが分量を調整してあげることが大切です。食べ過ぎで成長が速すぎると、肥満に加えて、骨や関節、消化器系の疾患など健康な生活に影響を及ばす多くのリスクがあります。
生後1ヵ月齢まで
生まれたての子犬は小さく無防備で、目を開き最初の一歩を踏み出すなど、最初の数週間で大きな変化を体験します。生後1ヵ月になると、徐々に母乳から離乳して固形食を食べ始め、自立への道のりが始まります。生後間もない子犬は、免疫力を高め、繊細な消化器系に善玉菌を増やすために、適切なバランスの栄養素を必要としています。この健康的な基盤を作ることが、この後の成長と変化をサポートする鍵になります。
2ヵ月齢~4ヵ月齢
生後8週目頃になると、子犬に必要となる栄養素が変化します。生後2ヵ月齢〜4ヵ月齢の頃には、発達中の骨格を支えるカルシウム、リン、ビタミンDの量を品種や大きさに適した量に調整する必要があります。子犬を家に迎えたら、まずは以前と同じフードを与え、1カ月ほどして新しい環境に慣れてきたら、必要に応じて適したフードへ移行しましょう。元気いっぱいで楽しい時期ですが、環境の変化などでストレスが溜まることもあるので、まずは食べ慣れたフードを与えることで、新しいフードへスムーズに移行しやすくなります。
4ヵ月齢~7ヵ月齢
子犬の体重は生後4ヵ月齢~7ヵ月齢の間にも増え続けます。引き続き子犬用フードを与えましょう。高品質で消化しやすいたんぱく質を適切な量を摂取する必要があります。栄養不足は問題を引き起こす可能性がありますが、栄養の与え過ぎも問題です。成長が速すぎると骨や筋肉、さらには脳の発達に影響を与える可能性があります。子犬の犬種と年齢に合った適切な量のフードを与えましょう。給与量は子犬用フードのパッケージに記載されています。不明点がある場合は獣医師に相談してください。
10ヵ月齢から成犬期
子犬が成犬へと成長するとともに、関節のために特別な栄養補給が必要になります
(成犬になる年齢は犬種によって異なります)。特に大型の犬種は筋肉の発達とともに骨格にさらに負担がかかります。子犬の成長を観察し、それに合わせて子犬用フードの分量を調整する必要があります。適切な分量は、各フードの給与量ガイドを参照するか獣医師に相談しましょう。
子犬に与えるフードの量
子犬に必要なフードの量は、現在の体重と成犬時の予想体重によって決まります。大型犬の子犬は小型犬の子犬よりもたくさんのフードが必要になります。体重または年齢別の給与量が記載されている表を参照してください。予想体重が不明な場合は獣医師に確認しましょう。同じ犬種でも子犬によって異なる可能性があります。子犬がボウルのフードを食べきらないことがあっても、元気があり、散歩や遊びを楽しんでいるなら心配する必要はないでしょう。体重を定期的に測定し、成長曲線を記録することは、健康的な成長をモニタリングするのに役立ちます。
子犬の食事スケジュールの変更方法
子犬の食事のスケジュールは成長とともに変化します。犬種やサイズにかかわらず、離乳期の食事は4回に分けましょう。小型犬の場合、生後4ヵ月までは1日3食、4ヵ月~10ヵ月は1日2食にします。大型犬の場合、生後6ヵ月までは1日3食、6ヵ月~12ヵ月は1日2食にします。犬は人間のように多様な食事を必要としないことを覚えておくとよいでしょう。また、犬は決まった食事習慣があることですくすくと育ちます。早い時期から、毎日同じ時間に同じフードを同じボウルであげることが大切です。
ミックスフィーディングとは
ウェットフードとドライフードの両方にそれぞれの利点があります。ミックスフィーディングにより、子犬は両方のメリットを受けることができます。水分含有量の多いウェットフードは水分補給に役立ち、腎臓機能をサポートするのに役立ちます。一方、ドライフードは保存期間が長く、必須な栄養素がより濃縮されて含まれています。キブル(ドライフードの粒)は歯ブラシの機能を果たし、歯を健康に保つのに役立ちます。
子犬にどのくらい水を与えるべきか
子犬に必要な水分補給の量は、ドライフードとウェットフードのどちらを食べているのか、あるいはその両方を食べているのか、どれほど活発であるのか、品種や大きさ、生活する場所の温度によって異なります。常に新鮮な水を用意し、こまめに水を交換してボウルを清潔に保ち、菌の繁殖を防ぎましょう。陶器、ガラス、ステンレス製のボウルが最適です。プラスチック製のボウルは犬の敏感な鼻にとって不快な匂いがすることがあります。できれば、家の中の静かな場所にいくつかのボウルを置いて、子犬がいつでも水を飲めるようにしましょう。
子犬に人の食事を与えるのはやめましょう
どんなに心がそそられても(また、子犬の大きな瞳が訴えるようであっても)、人の食事をあげることは子犬のためにはなりません。
人は何でも食べることができますが、犬はそうではありません。人の食べ物の多くは、子犬が食べると健康に害を及ぼす可能性があります。子犬に人の食卓に並ぶ食べ物を与えるのは避けた方がよいでしょう。人の食べ物をねだるような好ましくない習慣はすぐに身に付き、やめさせることが難しくなります。
子犬のフードに関するよくある質問
子犬が子犬用から成犬用のフードに切り替える準備ができたかどうかは、犬種と大きさによって異なります。犬は5つのサイズグループに分類されます。チワワなどの「超小型犬」は、生後約8~10ヵ月で成犬の体重 (出生時の体重の約20倍) に達します。一方、「超大型犬」に分類されるグレートデーンは、生後18〜24ヵ月で成犬のサイズになりますが、成犬になると出生時体重の100倍という驚異的な大きさに成長します。
成犬用フードへの移行をいつ開始すべきかをより正確に把握するには、子犬の給与量ガイドを参照してください。獣医師に相談することもできます。
与えるのはおすすめしませんありません。子犬には、成長をサポートするために必要な栄養素とエネルギーが調整された、子犬用のフードが必要です。
人の食べ物を
子犬に与えるべきではありませんが、その中でも特に有害なものがあります。チョコレート、人工甘味料、ブドウ、ニンニク、玉ねぎ、乳製品、ナッツ、脂肪分の多い食品を与えないように十分気を付けましょう。子犬には、特別に開発された子犬用フードだけを与えるのが安心です。
犬はもともと肉食動物でした。ただし、野生では獲物を通じて多少の植物性の物質も摂取していましたし、内臓部分も食べていました。そのため、筋肉の部分、いわゆるスーパーで売られている肉だけでは必要な栄養バランスを満たすことはできません。現在では雑食動物に進化しましたが、健康を維持するために適切なバランスのエネルギー、たんぱく質、アミノ酸、ビタミンが必要です。そのため、犬の品種、サイズ、ライフステージに適した特別に配合されたフードを与えるのが最善です。
ウェットフードでもドライフードでも、犬に必要な栄養素を満たすように特別に開発された犬用フードを与えるのが最善です。肥満を防ぎ、テーブルでおねだりするなどの悪い習慣を避けるために、決まった食事時間外にフードを与えたり、余分なトリーツや人の食事の残り物を与えたりすることは避けてください。
子犬の栄養に関するロイヤルカナンの科学的アプローチ
ロイヤルカナンは、栄養学に基づいた健康を専門とし、すべての子犬の独自のニーズに合わせたフードを提供しています。私たちにとって、子犬用フードは単にエネルギーを与えるだけのものではありません。体細胞の構築と維持、消化器系や関節の健康的な発達、および高齢化まで見据えた子犬の健やかな成長を守ることが大切であると考えています。
子犬を家に迎えるのは、誰にとってもワクワクする瞬間です。始めから適切な食事を与えることで、新しい環境への移行がスムーズになり、ストレスのない共同生活を始めることができます。何よりも、子犬がライフステージに合わせた最良の栄養素を成長の早い段階から摂取できるようにすることで、健康で元気いっぱいの生活をあなたと過ごせるようになります。
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