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子犬のワクチン後の散歩、その重要性とポイントについて

子犬の散歩は2回目のワクチンを終えてから

散歩に連れ出すのは、2回目のワクチン接種を終えてからです(子犬のワクチンに関する詳細はこちら)。2回目のワクチン接種によって、体の中に主な感染症の抗体が出来ていると考えられるからです。同時に、生後4ヵ月齢頃までは「社会化期」と呼ばれ、社会に適応するための能力をスムーズに身につけられる時期でもあります。外に連れ出せるようになったら積極的に外出し、いろいろな体験をさせてあげましょう。


社会化の重要性

犬の「社会化」とは、犬同士の付き合い方やルールを学んだり、人間社会で生きていくために必要なマナーを覚えたりすることです。社会性を身につけさせておくことで、犬は人や他の犬と上手に関われるようになり、噛む、吠えるといった問題行動も起こしにくくなります。

社会化のためのトレーニングは、服従訓練などとはまったく異なります。基本は、犬にさまざまな経験をさせることです。日常の経験を通して、身の回りのものや環境、人、動物などとの関わり方を学ばせるのが目的です。

トレーニングのコツは、新しい経験を「楽しい」や「嬉しい」などの「ポジティブな思い」と関連づけることです。たとえば、初めて会う人に優しくなでてもらうことは、犬が飼い主や家族以外の人を受け入れるきっかけになります。また、大人の犬(成犬)に遊んでもらうことは、自分より大きな犬に対する恐怖心を取り除くのに役立ちます。

社会化が十分でないと、将来、犬自身が不快な思いをする場面が増えてしまいます。犬が幸せに生きていけるようにするためには、社会化期の飼い主の努力が欠かせません。パピーパーティなども積極的に利用するとよいでしょう。


社会化のポイント

人や犬とフレンドリーに関われる犬にするためには、社会化期には多くの人や犬に会わせるようにします。ただし、最初に不快な思いをしてしまうと、すべての人や犬に対してマイナスのイメージを持ってしまうことがあるので注意が必要です。人も犬も、まずはもの静かなタイプから接触していきましょう。飼い主が期待するほどスムーズにいかないこともありますが、無理に遊ばせようとしたりするのは逆効果です。犬が自分から近寄っていくのをじっくり待ちましょう。

初めて会う犬と遊ばせる場合、ドッグランのような場所であっても必ずお互いにリードをつけた状態で会わせます。まず相手の犬の飼い主さんに、犬の性格や子犬と遊ばせても大丈夫か確認してから近寄らせましょう。犬が怖がっているような素振りを見せても、危険がなければむやみに抱き上げたりしないことです。こうした関わりは、犬同士の付き合い方を覚えていくためにも、とても大切です。

ただし、犬の性格はさまざまですので、犬同士の相性が合わないこともあります。犬が本気で怯えていたり、相手の犬がいやがっていたりするようなら、無理をさせる必要はありません。子犬のペースに合わせてゆっくりと慣らしていきましょう。


子犬を外に連れ出す、散歩するときのポイント

首輪とリードに慣れさせる

犬を屋外に連れ出す時、必ず必要なのが首輪とリードです。着けるのを慣れさせるために、犬をクレートから出す時は、室内でも必ず首輪を着けるようにします。毎日着けることによって首輪に慣れることに加え、いざというときに犬の動きがコントロールしやすくなるので、安全確保にも役立ちます。もしリードをいやがる場合は、室内でリードを着けて歩く練習をしておきましょう。

リードの正しい持ち方を理解する

散歩中、犬は人の左横を歩かせるのが基本です。しかし、きちんとトレーニングができるまでは、自分のペースで走りたがったり、興味のあるものを見つけて飛び出したりすることもあるはずです。事故を防ぎ、他人に迷惑をかけないため、飼い主は犬の動きをしっかりコントロールしましょう。

必ず守りたいのが、一般の道路を歩くときは、伸び縮みするタイプのリードを使わないことです。伸び縮みするタイプのリードは片方の手でしか持てない構造になっているので、犬の動きをコントロールしにくいうえ、万が一リードを落とした場合、重い持ち手の部分が犬にぶつかる可能性もあります。

リードは片方の手に通し、腕を自然におろした姿勢で、程よい長さのところを両手で持ちます。こうしておけば、歩きながら犬にご褒美を与える場合などに片方の手を離しても、犬側のリードがたるむことがないので安心です。また、リードは手を上からかぶせるようにしてにぎると、犬に強く引っ張られても動きを止めやすくなります。

正しい歩き方を覚えさせる

散歩中は、歩くコースも速さも飼い主さんが決めます。しかし、犬を飼い主さんのペースに合わせて歩かせるためには、トレーニングが必要です。散歩に出かけるようになった日から、根気よく教えていきましょう。子犬のうちは元気に走り回っても力で抑えることが出来ますが、成犬になるとそうはいきません。特に力の強い大型犬の場合、犬が勢いよく飛び出したために飼い主がケガをしたり、犬が交通事故に遭ったりすることもあります。犬に正しい歩き方を覚えさせることは、人と犬の安全を守ることにも繋がるのです。

まずは犬を呼び戻す練習から始めます。歩いているとき、自分の行きたい方向に飛び出したら、飼い主さんはその場で無言のまま立ち止まります。犬が止まって振り向いたら名前を呼ぶなどして近くまで呼び戻し、戻ってきたら褒めてあげましょう。次に、リードを引っ張らずに歩く練習をします。犬が飼い主より前に出てリードを引っ張ったら、歩きながら名前を呼びます。犬が飼い主を見てペースを緩め、横についたら褒めます。この繰り返しで、犬はリードを引っ張らずに歩くことができるようになります。

屋外での排泄

散歩のおもな目的は、犬の運動不足解消と気分転換です。排泄は、自宅の室内または敷地内ですませるのが理想であるため、先にトイレを済ませてから散歩に出かけるのが基本です。外で排泄させる場合、よその家の塀などにおしっこをかけさせないように注意します。うんちは必ず持ち帰り、おしっこをした場所には水をかけておきましょう。犬はマーキングのためにも排尿をしたがりますが、生理的な排尿がすんでいれば大丈夫です。マーキングをがまんさせても体に悪影響はありません。

中には外でないと排泄したがらない犬がいますが、将来のことを考えると、家でトイレをすませるようにしつけておいたほうが安心です。室内で排泄できないと、飼い主の都合や天候に関わらず、毎日必ず散歩に出かけなければなりません。また、犬が高齢になり、トイレが近くなると、一日に何度も外に連れ出さなければならなくなることもあります。

散歩のときのマナー

散歩のときは、必ず犬にリードをつけます。どんなにしつけが行き届いていても、ドッグランなどノーリードが許されている場所以外ではリードを外してはいけません。人や他の犬に近づける場合は、相手の許可を取ってからにしましょう。中には犬が苦手な人や、相性の悪い犬もいるので注意が必要です。また、外で排泄する可能性がある場合は、ゴミ袋と水を持参して汚れを残さないようにします。

散歩の時間はあえてランダムにしましょう。毎日同じ時間に出かける癖をつけてしまうと、犬が散歩をせかして吠えたりするようになることがあるからです。散歩コースも出来れば日によって変えましょう。いつも同じところを歩くのでは刺激が乏しく、犬の楽しみも少なくなってしまいます。

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