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犬が体をかき続ける理由は?

犬が体をかき続けたり 、被毛を過度になめたり、壁に体をこすりつけたり、頭を振ったりしている場合は、さまざまな原因が考えられます。その行動の理由は、皮膚の乾燥、ノミによる虫刺され、ホルモンバランスの乱れ、栄養不足、不安、環境要因などさまざまです。ペットオーナー自身で原因をすぐに特定し、解決するのは難しいでしょう。

この記事では、犬が体を掻くという行動の一般的な理由と、獣医師に相談する前にできる、かゆみを和らげる方法をご紹介します。

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サモエド

1:寄生虫

犬が過度に体を掻いたり、指の間を嚙んだり、被毛をなめたり、頻繁に頭をふったり、耳を掻いたりしている場合は、まず寄生虫がいないかどうかを確認する必要があります。寄生虫は目に見えないことも多く、犬にとっては不快な症状を引き起こします。それぞれの寄生虫の症状と効果的な対処法をご紹介します。

獣医師に診断を依頼する前に、愛犬の症状を確認して寄生虫の種類を確認してみましょう。寄生虫感染 の症例は多く、愛犬の寝床とその周辺を清潔にし、愛犬に適した治療をすることが重要です。


ノミ

ノミは小さな吸血鬼のようなもので、犬を噛んで血を吸います 。ノミが原因の病気に加え、かゆみや不快感で苛立つ 犬もいれば、ノミの唾液でアレルギーを起こしてかゆみが重症化する犬もいます。軽い赤み、下腹部の小さな丘疹(皮膚の盛り上がり)をひどくかいて皮膚感染症につながることもよくあります。ひどい場合、貧血を引き起こしたり、条虫 (サナダムシ)など他の病原体を媒介したりすることもあります。

成長過程

条虫(サナダムシ)

肛門周囲をかゆがる場合、内部寄生虫の症状であることが多いです。最も一般的な内部寄生虫の1つが条虫です。ノミが条虫の卵を媒介することが多く、犬が歯を使ってノミを取り除くときに条虫の卵を飲み込むことで感染します。条虫は犬が消化した食物を餌とし、その過程で犬から多くの重要な栄養素を奪います。こうして、皮膚が乾燥したり被毛が汚くなったりフケがでたりと、不健康で貧弱になり、かゆみを感じるようになります。そのリスクを最小限に抑えるために、獣医師が処方する予防治療を受けることをお勧めします。

サナダムシ

マダニ

マダニの成虫(小さな吸血性のクモの仲間)は、犬の耳の外側、首、シワの間によく見られます。ノミと同様に、ひどくなると貧血の原因になります。

マダニは、他のペットや人間に感染症を媒介する など、さらに深刻な問題の原因になることも知られています。例えば、人間において、ダニはライム病やピロプラズマ病 (バベシア症)を引き起こすことがあり、疲労や貧血、肝不全、さらには腎不全に至ってしまうこともあります。

散歩やハイキングから帰って来たら、犬がノミに刺されていないか確認することが大切です。マダニを発見した場合は、先の細いピンセットか、できればマダニ除去器具(かぎ形のもの)で、急いで、かつ慎重に除去します。寄生虫をつぶしたり、「頭」(口)を皮膚に残したままにしたりしないでください。かまれた部位を消毒し、その後皮膚の異常がないかを観察してください。 この処置が難しい場合は、獣医師に相談し、適切な薬 で犬を治療することが重要です。

マダニ

耳ダニ

子犬や若い犬によくみられる耳ダニ(小さなクモのように見えるダニの一種)は、愛犬の耳の中や周りにいることがあります。肉眼では見えない大きさで、激しい痛みを伴う外耳道感染症を起こす可能性があり、愛犬が頭を振ったり、耳をかき続けたりして、傷口から出血することもあります。耳ダニ感染症が疑われる場合は、耳から茶色や黒色の分泌物が出ていないか確認してください。耳ダニに感染すると、細菌や酵母による二重感染が起こりやすくなります。肉眼では見えないので、耳ダニが疑われるときは 動物病院に行きましょう。

住んでいる場所によっては、より多くの種類の寄生虫が存在し、犬のかゆみの原因になることがあります。 さらに、「耳疥癬(みみかいせん、耳ダニ症とも呼ばれます) 」はペット間で感染する可能性があるため、保護施設にいた犬は感染していることがあります。正確な原因と最適な治療法を見つけるために、かかりつけの獣医師に相談してください。


2:犬アトピー性皮膚炎(CAD)

愛犬が体を過度にかいたり、こすったり、毛づくろいをしたり、なめたりしている場合は、犬アトピー性皮膚炎(CAD)にかかっている可能性があります。犬アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う 遺伝性 素因のある皮膚疾患です。皮膚が花粉、ダニ、草、カビ などの環境アレルゲン に反応すると、顔面、関節、会陰部の周囲に発赤や病変がみられることがあります。

犬アトピー性皮膚炎の最初の徴候は生後6週齢から3歳までの若い犬に現れることが多く 、生涯続きます。遺伝的な理由から、日本では特にフレンチ ブルドッグ、柴犬、シーズー、ウエスト ハイランド ホワイトテリア は他の犬種よりもリスクが高くなります。

犬アトピー性皮膚炎(CAD)になりやすい犬種
(犬の百科事典)

犬アトピー性皮膚炎は犬の最も一般的な皮膚病の1つではありますが、これだけではありません。赤み、腫れ、フケ、脱毛に気づいたら、獣医師の診断を受け、効果的な治療を行ってください。


3: 食物アレルギー

牛肉、鶏肉、ラム肉、魚、豚肉、ウサギ、乳製品、小麦などに含まれるタンパク質は 、犬が体をかく原因になります。アレルギーのある食材を(許容量を超えて)1種類以上、一定量食べたときに反応が出ます。愛犬の食物アレルギーを調べる最も効果的な方法は、獣医師に相談して、8週間から12週間の除去食 試験を行うことです。


4: 内分泌疾患

健康な皮膚と被毛を維持するために必要なホルモンを分泌する、内分泌器官に障害がある場合があります。さまざまな内分泌疾患がさまざまなホルモンと関係しており、甲状腺機能低下症、クッシング症候群など、薬物療法で治癒できるものもあれば、手術が必要なものもあります。例えば、愛犬が体をかき続けたり、脇腹に左右対称の抜け毛があったりする場合、ホルモンバランスの乱れが理由なのかどうかを確かめるには獣医師の診断を受けるのがベストです。


5: 耳の感染症

愛犬がいつも耳の周りをかいたり、頭を振ったりしている場合は、耳炎(耳の感染症や炎症)が原因かもしれません。耳炎の症状は他にも、赤み、腫れ、分泌物、鱗屑(皮膚表面のかさぶた上のもの)などがあり、獣医師に伝える必要があります。異臭がある場合は、耳の内部で炎症を起こしている可能性があります。

耳をかいたり、頭を振ったり、痛みがある場合は、異物が入っている可能性もあります。例えば、小さな稲穂が乾燥して犬の耳(または被毛、鼻の穴、足)を刺激する季節は注意が必要です。強い痛みを伴うことがあり、獣医師に取り除いてもらう必要があります。

耳

病気を予防し、皮膚のかゆみなどの不快感を和らげる方法

愛犬のかゆみの原因を問わず、強く掻くことによる痛みを和らげる簡単な方法があります。

犬が体を掻くのを防ぐための7つのヒント。

  1. 必要に応じて専用のシャンプーで愛犬を洗い、毎日正しい皮膚と被毛のケアを行って、被毛を清潔に保ち皮膚を落ち着かせます。
  2. お住まいの地域で必要な外部寄生虫の予防治療については獣医師にお尋ねください。
  3. 定期的に愛犬の寝床やシーツに掃除機をかけてきれいにしましょう。
  4. 不快感を和らげるために、獣医師が塗り薬 などを処方したり、薬の服用や特定の栄養補給をお勧めしたりする場合があります。
  5. 庭を手入れして、草を短く刈り、茂みは刈り込んでください。
  6. ハイキングや散歩から帰ってきたときやお風呂上がりには、愛犬の被毛や皮膚をチェックしてください。
  7. 最後に、皮膚の健康をサポートする栄養豊富で適切なフードを愛犬に与えると効果的です。

なるべく早く獣医師へ相談を

皮膚のトラブルは、皮膚の問題だけではありません。愛犬が過度に体をかいている場合、特に数日間にわたってかき続けている場合は、獣医師に相談することをお勧めします。皮膚のかゆみの原因が 一過性の場合もありますが、長く続くこともあります。その場合はさらに悪化したり、命にかかわったりすることもあります。正確な診断のもと、愛犬の健康ニーズに合わせた適切なアドバイス、治療、食事管理を提案できるのは獣医師だけです。

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