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<獣医師監修>生まれたての子猫を保護したらすべきこと (動画解説付き)

子猫を保護した場合、まず何をしたら良いか不安になりますよね。このページでは、子猫を保護した時にやるべきことを説明します。

 

監修:太刀川史郎先生

神奈川県秦野市のたちかわ動物病院にて院長を務めながら、学会講演や学術誌の執筆、保護猫の里親募集の活動にも精力的に取り組んでいる。日本獣医皮膚科学会認定医。日本臨床獣医学フォーラム幹事。

子猫を保護したらすべきこと(まとめ)

子猫を保護したら、速やかに動物病院に連れて行くとともに、子猫にとって快適な環境を整えることが大切です。具体的には生まれたての子猫は体温調整が苦手なため、カイロなどの保温アイテムを用意し、安心できるふわふわのタオルで包んであげましょう。この記事では生まれたての子猫を保護した際のポイントから、週齢・性別の見分け方、シャンプーの方法まで動画を交えて幅広く解説します。

子猫を保護したら、まずは動物病院に連れていきましょう

生まれて間もない子猫を保護すると決めた場合は、できるだけ早く子猫を動物病院へ連れて行きましょう。
栄養不足で衰弱していたり、感染症にかかっていたり、子猫にとっては命に関わる場合もあります。まずは動物病院の受診をおすすめします。

保護した子猫を病院に連れて行くまでの間にできること

病院に連れて行くまでの間にも、保護した子猫のためにしてほしいことがあります。

子猫の体温を温める

保護した子猫の応急処置として体温を保つ工夫をすることが大事です。子猫が動ける大きさで深めのカゴや段ボール箱などにタオルを敷いて、子猫を入れてあげましょう。そして、カイロやタオルでくるんだ湯たんぽ(お湯を入れたペットボトルでも良いが、冷めやすいのでこまめに交換する)を一緒に入れましょう。人肌くらいの、心地よいと感じる温度が目安です。気付かない間に冷えてしまわないよう、大きめのものがおすすめです。特に夜間は要注意。また、低温火傷を避けるために、カイロや湯たんぽは時々移動させてください。箱の上を3分の2程度覆うことができるタオルをかぶせると、温かさが保たれます。

子猫にミルクを与える

保護した子猫の目や耳が開いていない場合は、固形食は食べられず、ミルクが必要となります。
歯が生えていない、体重が400g以下の場合も離乳前の可能性が高いです。
牛乳は子猫に十分な栄養を与えることはできません。さらに下痢をする場合があるため、猫専用のミルクを飲ませましょう。
ただし、低体温症になっているとうまくミルクを飲めなかったり、消化できず下痢をしてしまいます。
保護した子猫がひどく衰弱している場合にはまずしっかりと温めてあげましょう。

子猫にミルクを飲ませるポイント

  • 一度沸騰させたお湯を使い、使用説明書のお湯の温度と量、ミルクの量を守りましょう
  • ダマにならないようミルクをしっかり溶かしましょう
  • 必ずミルクが熱くないことを確認してから飲ませましょう
  • ご自身の手の甲に垂らして確認すると良いでしょう

子猫に初めてミルクを飲ませるときの注意点

  • 0.5~1.0cc程度の少なめの量から飲ませましょう
  • 母乳を十分に飲めず胃が小さくなっている子猫もいます
  • 下痢や嘔吐を避けるため少量から始めましょう
  • 頭をしっかりと固定して乳首を正面から口に入れ、少しずつ飲ませましょう
  • 子猫が疲れてしまったら、無理せず1~2時間程度休ませてから飲ませてみましょう
  • 飲み終わったら、お尻を刺激して排泄のサポートをしましょう
▼くわしくはこちらの動画をご覧ください▼

離乳前の子猫に最適なバランスのミルク

栄養素の独自の配合バランスにより、子猫の健康的な身体作りをサポート。また、子猫の脳・中枢神経に必要なDHAを配合しています。

子猫の隔離(保護スペースの確保)

保護した子猫は専用のスペースを設け、先住猫や他の動物とのふれあいは控えましょう。ノミ、ダニの寄生、または感染症にかかっている場合があるためです。加えて、猫は環境変化に非常に敏感です。安心してストレスなく過ごせる環境を用意することは、子猫を保護し一時的にでもケアする上で大切です。外からの視線にさらされないようカゴや段ポール箱にタオルをかけて目隠しにしたり、母猫を思わせるような柔らかいタオルやクッションなどを入れてあげるとよいでしょう。

子猫に快適な環境を整える

生後間もない子猫は体温調整が苦手です。室温は生後1週では30℃前後、2週では27℃前後、3週では25℃前後、4週では22℃前後が目安となります。部屋を暖めると乾燥するので、冬場は加湿も行いましょう。最適な湿度は約60%です。子猫は隠れられると安心します。クッションやキャリーケースなど囲われた場所があるとよいでしょう。
▼くわしくはこちらの動画をご覧ください▼

保護した子猫の様子が落ち着いたら

保護した子猫が落ち着いてきたら、ストレスをかけないよう注意しながら、日齢・性別の確認、体重測定やシャンプーなどにチャレンジしてみましょう。

子猫の日齢を調べる

目が開いているか確認する

子猫の目が開くのは生後7~10日と言われています。
目が開いていなければ生後7日以内だと分かります。

へその緒の有無を確認する

次におへそを見ましょう。
子猫のへその緒は生後3日頃から取れ始め、5日目には完全に取れると言われています。
へその緒が完全に取れていれば、生後3日は経っていることが分かります。
子猫のへその緒は生後3日頃から取れ始めます。取れていない場合、子猫は生後3日未満となります。
子猫のへその緒は生後3日頃から取れ始め、5日目には完全に取れると言われています。 へその緒が完全に取れていれば、生後3日は経っていることが分かります。

子猫の性別を調べる

子猫のしっぽをめくるとお尻の穴があり、そこから少しおなか側に陰部の入り口があります。
お尻の穴から陰部までの距離が短い→メス猫
お尻の穴から陰部までの距離が長い→オス猫(精巣のふくらみが分かることもあります)
子猫のしっぽをめくるとお尻の穴があり、そこから少しおなか側に陰部の入り口があります。お尻の穴から陰部までの距離が短い場合はメス猫
子猫のしっぽをめくるとお尻の穴があり、そこから少しおなか側に陰部の入り口があります。お尻の穴から陰部までの距離が長い場合はオス猫(精巣のふくらみが分かることもあります)
▼くわしくはこちらの動画をご覧ください▼

子猫をシャンプーする

保護した子猫のシャンプーが大切な理由

保護した子猫にはノミ・ダニといった寄生虫がついていることが多く、シャンプーはその駆除に役立ちます。ノミやダニは人にも病気をうつすことがあるので要注意です。また、シャンプーには人の手のあたたかさを教える、スキンシップという側面もあります。

保護した子猫の洗い方

シャンプーは猫用のものを用意します。原液をつけることはせず、泡立てて使います。保護した子猫をゆっくりお湯につけ、泡でやさしく洗っていきます。お湯の温度はややぬるめの34~36℃がよいでしょう。部屋をあたためることも忘れずに。顔には直接お湯をかけず、湿らせたガーゼで拭くようにすると子猫も安心できます。入浴後はタオルでしっかり乾かし、ドライヤーは長時間使用すると子猫が怖がったり、乾燥・脱水を招くので仕上げ程度にとどめます。湯上りはミルクで水分を補給することもおすすめです。
▼くわしくはこちらの動画をご覧ください▼

子猫の体重を測定する

保護した子猫の体重測定は健康状態を把握するうえでとても大切です。子猫の体重は通常、一日10~15gずつ増えていきます。体重が増えないときは要注意です。兄弟を一緒に保護したら誰かが下痢をしているという場合でも、体重の記録をつけておくことで体調不良の子猫を判別しやすくなります。
【出生時85~110gの子猫の0~4週齢別の体重目安】
▼くわしくはこちらの動画をご覧ください▼

保護した子猫を飼い始めるときに注意すること

子猫のために用意したいもの

週齢によっても変わりますが、動き回るようになると「寝る・食べる・隠れる・爪をとぐ・登って遊ぶ」ための場所が必要になります。特に大切なのがトイレで、猫の数プラス1つ用意することがおすすめです。ふかふかのベッドと安心できる隠れ場所も大切です。子猫は遊びが大好きです。様々なおもちゃを試してみて、お気に入りのおもちゃが壊れてしまったときのために複数個用意しておくとよいでしょう。

子猫にとってキケンなものを取り除く

人にとっては何気ないものでも子猫には危険となる場合があります。針と糸の誤食は子猫に多い事故で、命にかかわります。リボンのような紐状のものも飲み込むと危険なため、リボンで遊んだ後は必ず子猫の手が届かない場所に片づけましょう。たくさん遊んでくたびれてきたおもちゃも、壊して飲み込んでしまうことがあります。ユリなど、子猫に毒性のある観葉植物もあります。植物を置く際は子猫への安全性を確認しましょう。
▼猫には危険な植物
子猫にとって危険な植物、ポトス、アイビー、サボテン、ディフェンバキア、サゴヤシなど
 
▼くわしくはこちらの動画をご覧ください▼

 

 

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